(故)賢王ドラクロワ
7年前に死んだ先代の王。生涯表向きの愛妾を持たなかった割と異常な王。王妃は死去している。
国を傾けることなく、また発展させるでもなく無難に治めていたからか、
優秀ではないが無能でもない、と民衆に評されていた。
王子が2人、王女が2人居たが、彼の死後に次々と不慮の死を遂げたため、
彼が手を付けた侍女から生まれた庶子であるHO1が王位を継承した。
庶子が現れた時用の遺書を侍従長に預けていたため、各貴族による賛成・反対の論争は有ったものの、
血筋を疑う、という段階をすっ飛ばして速やかな王位継承が済んだため、
「自身の嫡子の死すらも予想して庶子を仕込み、首都から離して守っていたのか」と
民衆からの株が今になって上がっている。本人にそんなつもりはなかった。
更にHO1がクーデターによって追放された事により、野心を持った一部貴族達の反乱を抑えながらも
国を安定させていたんだ、と民衆からの株が今になって更に上がっている。
HO1の苦難の原因にして実父。
ロイ伯爵
HO1の育ての親。ジーク要塞の東側にある緑豊かなド田舎を領地に持つ。
HO1が生まれてから半年経った頃、先王に呼びつけられてHO1を託され、
実の子として育てるようにと命じられ、更にどのようなことがあっても、
出生の秘密を本人に教えてはならないと厳しく言い含められていたが、
国王不在が5年続き、王位継承に関して揉めに揉めている状況に耐えられず、
出生の秘密を打ち明け、血の濃さにおいて大きく劣る王位継承者候補争いを終わらせた。
直系の男子であるHO1を王位へと送り出して以降、臣下として仕えていた。
現在は先王の嫡子4名を謀殺したとして投獄されている。
アルフォンス侯爵
クーデターの首謀者。ピエタ建国当初より王家に仕えている由緒正しい家柄の貴族。
2人の王子と2人の王女の死は全てHO1とその父による謀殺という噂を流し、
"偽物の王"を王座から引きずり下ろすという大義名分を上げて城に攻め込み、
HO1を亡き者にしようとしたものの、次の王にと推していたエスピノ公爵の邪魔が入り失敗。
その時点で王都に居た現王派の貴族をそれぞれの屋敷に閉じ込め、
"偽物の王"に代わり、国を治めている。
エスピノ公爵
HO1の従弟にしてバレン騎士団長。ドラクロワ王の妹が先代エスピノ公爵に嫁いで産まれた。
有能な騎士としても有名でかつ国に忠実な人物としても広く知られている。
王家と血の繋がりが有るのは確かだが公爵家の息子なので王族ではなく、王位継承権は下。
が、先王の嫡子が全員死んでしまい、王位継承権という面で次に強いのがよりによって
未だ幼い王弟の娘(つまり先王の姪)であった為に、対立候補として担ぎ上げられた。
本人的には国王とか面倒くさかったのでHO1が現れて先王の遺書が公開された時には
直系の男子なら非嫡出子であっても甥にすぎない自分よりも上の継承権を持っているのが
明らかなので即位すべきだ、と断言して嬉々として王位を押し付けて難を逃れた。
HO1が亡き者にされそうになったら身を呈して守るくらいには味方。
テオ・マドリガル
エスピノ公爵の親友にして剣の師匠。三十路あまり1。未婚男性。
リリオ騎士団長。元々はとある農村の村長一家の出身で農民として育ったが、
ジーク大要塞を突破した妖魔に幼馴染を殺され激昂、妖魔2体を素手且つ単独で撃破した所に
先代リリオ騎士団長が通りがかり、勧誘されて小姓ではなく従騎士となった。
その後、めきめきと実力を伸ばしていき、ピエラ南部を巡回中に小舟2隻で侵入してきた
"西の海賊艦隊"の先遣隊を発見、手早くしたためた書簡を鞍にくくりつけた馬を
最寄りの砦へと送り出しながらも情報を吐き出させるために手加減しながらも無力化した功績により、
先王に名馬と名剣を贈られ、ついでとばかりに次期リリオ騎士団長として任命された。
エスピノ公爵とは騎士団同士の交流会の際に模擬戦で容赦せずにボコボコにして以来の付き合い。
普通なら相手の立場に遠慮して本気は出さないけど空気を読まずに本気でやるので気に入られたらしい。
いちおう友人のエスピノ公爵がHO1を信用しているのでじゃあ自分も現王派で良いな!というスタンス。
宝剣アルスール
ピエタ王家に代々伝わる宝剣。魔法文明の滅びと魔動機文明の始まりとの間"空白の期間"に、
蛮族の大侵攻があり、当時の住民が追い込まれ死を受け入れるしかない、という時に
初代国王が抜き放ち、刀身より放たれる蒼き光で蛮族を打ち払った、という伝説が有る。
しかし、実際の刀身はなまくらも良い所で、現代ではあくまでも王権の象徴でしかない。
なお、宝剣と言われているものの、見た目としては柄とポメルに宝石が埋め込まれただけの
バスタードソードであり、たまに市場に流れる"おしゃれな"剣と大して変わらない。