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【地域・オリアブ島】
『都市』とも言われる唯一生存可能な場所と、その周囲に点在する魔導機文明時代の遺跡からなる地域。
かつては魔導機文明時代の兵器関係の研究、開発、生産が行われていた場所と言うが詳細を知るものはほとんどない。
変異生物や、暴走した自律機械が無数に吐き出されている危険地帯であり、人族のみならず蛮族も外部から訪れる事が無い場所。
特に領域の内外の境界には、様々な怪奇現象が多発しており、出入りを妨げている。
時折、外部から迷い人が入り込む事はあるが、逆に脱出できたと言う話は存在していない。
これは魔法的手段にも適用されているらしく、少なくとも通常のテレポートなどの魔法による移動することもできない。
原因は不明とされており、過去は多くの研究者が脱出を目指して調査したが、現在ではその多くは挫折している。


【都市・バハルナ】
積層型構造体から成る、生きた魔導機文明の遺産。
かつての技術の粋を結集して、試験的に運用されていたと言う完全環境型都市。
オアリブ島において唯一生活圏が存在している場所。
高度な魔導機文明の遺産が今なお稼動しており、それらの恩恵を得た豊かな生活が保障されている。
閉鎖されているこの島国のなかにおいてさえ楽土を保障している、優れた安全な場所である。
―――というのは『上層』の話であるが。
上記の理想郷は都市の頭頂部(全体の3％ほど)であり、残りは全てが『下層』とされている。
生活環境は下層に行くほど悪化し、最下層では餓死者など珍しくもない。
近年では最下層は[守りの剣]の稼動範囲からも徐々に外されてきており、防衛戦力も中層未満を積極的に守ることはない。
防衛設備が今なお稼動している為、都市内にいる限り"都市外の"危険はないとされている。


【人々の生活】
上層は大よそ王族や貴族といった者らだ。
魔導機文明の遺産の恩恵をこれでもかと享受した豊かな暮らしをしている。
かつての魔導機文明の遺産を手がけていた上位研究員や、その都市の指導者だった者たちである。

中層は市民だ。
大よそラクシア世界のある程度裕福な一般家庭か、それ以上の生活を営んでいると思えばいい。
多くの一般的な都市機能を支える存在であり、中層以上で生まれていれば大よそまっとうな生活を営む事が保障されている。

下層は貧民である。
お零れのように与えられる"配給"に縋りながら、病と貧困、ミュータントに他者の暴力に怯える生活を余儀なくされる。
多くの場合は20になる前に死亡するか、徒党を組んで他の弱者を食い物にしながら生きるしかない。
理不尽に屈するのも、虐げる側に回るのも嫌なのであれば、冒険者にでもなるしかないだろう。


【冒険者・腐肉喰らい・スカヴェンジャー】
この都市に所属する冒険者のこと。
多くは都市の外に赴いて、遺跡へ挑み過去の遺物を持ち帰ることで糧を得ている者たち。
『蛆虫』と揶揄されている者ら(lv1未満)と、その他の冒険者達がいる。
その下の下の冒険者、粗末な武器を片手に遺跡に飛び込んで行く者の姿はそう珍しいものではなく、その大多数が１月とたたずに遺跡に飲み込まれていく。
その為、冒険者らしい冒険者と言うと『鍛える余裕のあった中層以上のもの』か『蛆虫から運よく生き残ったもの』となる。
全体としては『蛆虫』と、それ以外の冒険者が半々といったところだろう。
特に参加資格などはなく、それこそ名前を書いておしまいである。
それ故に成り上がりを夢見た、あるいは喰うに困った下層民が冒険者と成る事が多い。

【冒険者協会】
都市所属の冒険者達を取りまとめる組織。
外延部から貴重な遺跡を持ち帰る彼らは、都市からも重要視されており、管理されている。
遺跡(ダンジョン)の管理や、遺物の買取や、遺跡への移動の手配なども請け負ってくれる。
一定以上の功績を持った冒険者に対しては、いくつかの優遇措置もおこなってくれるようだ。
なお『蛆虫』には相応の塩対応である。


【自律機械群】
魔導機文明時代に作られた多くの機械類を示す。
現在も稼動している生産プラントがあるらしく、都市の外では度々、遺跡内では多く見かけるものである。
経年劣化でボロボロのものもあれば、新品同然に維持されてた脅威を保ったものもある。
[認識票]をもった人物を狙うことは無いとされているが、もはやそのようなものはどこにも残されていない。
彼らにとっては訪れる人間は全て『略奪者』ないしは『暴徒』なのである。
なお都市には『正しく制御されたプラント』が生きているらしく、都市の防衛にも用いられている。

【変異生物】
ミュータント。外部に蔓延る多発する怪奇現象や汚染によって、何らかの変化を蒙った存在。
多くの場合は人にとって脅威を齎す。戦う手段を持たないものが外に出る場合には大きな脅威となることだろう。
殆ど別の生物といっていいほど変化する事もあれば、単に"穢れ"を得ているだけと言う場合もある。
またそういった変異は人にも及んでおり、下層民の一部にはそういった変異や、変異の結果として穢れを持つものもいる。
中層以下の人間が、そういった分かりやすい変異を得ると、気味悪がられて排他されることだろう。
近年では、噂程度であるが上層でもそういった者がうまれることがあるそうだ。

【近年の事件】
無人兵器大規模襲来事件。黒い日。
2年ほど前に、数百を超える無人兵器軍が都市を襲来した事件。
詳細は不明だが、近隣の遺跡で、暴走して無数に生産されていた兵器群が、
何らかのきっかけをもってバハルナに押し寄せたことによるものだと考えられている。
折り悪く汚染雨が降りしきる中での都市外会戦となり、被害が拡大したといわれている。
都市防衛を務める防衛隊の実に3割が損耗。
防衛に駆り出された冒険者たちの半数近くが死亡した。
この事件によって都市の防衛機能は10％ほど低下し、そのしわ寄せは下層市民に押し付けられている。